北海道で秋に見かけるヒラヒラと舞う白い雪のような虫を
ゆきむし(雪虫)と言いますが、あれは一体どんな生物なのでしょうか?
ゆきむし(雪虫)とは何か?
アブラムシ(カメムシ目ヨコバイ亜目アブラムシ上科)のうち、
白腺物質(蝋-ロウ)を分泌する腺が存在するものを言います。
秋になって越冬する前などに羽を持つ成虫が生まれ、
交尾をして越冬の為の卵を産みます。
この時の羽を持つ成虫が、蝋物質を身にまとって飛ぶ姿が雪を思わせるのです。
※北海道では雪が降る少し前に飛ぶ為、ゆきむし(雪虫)が飛び始めると
初雪がまもなく降るという風に言われています。
※雄には口が無く、寿命は一週間ほどです。雌も卵を産むと死んでしまいます。
アブラムシとは何か?
植物の上でほとんど移動せず、
集団で維管束に口針を突き刺して師管液を吸って生活する昆虫です。
4月〜6月に東南アジアから気流に乗って飛来し、
野菜・果樹新芽の茎上や葉の表面・裏面に現れて冬になる前に死にます。
※小さな羽根を持つものもいます(雪虫等)
アブラムシの生殖方法
春から夏にかけてはX染色体を2本持つ雌が自分と全く同じ、
しかも既に胎内に子を宿している雌を産んで爆発的に増えます。
秋から冬にかけてX0型、つまりX染色体の一本欠けた雄が発生して、
雄と雌が交尾(体同士をつなぎ合わせ)を行い雌が卵を産みます。
卵は冬を越えて暖かくなってから孵化します。生まれてくるのはすべて雌です。
腺とは何か?
腺とは人間の汗腺のように「外部に生命維持の為に体内物質排出
を行う為の細胞の集まり」を言います。
蝋(ロウ)とは何か?
加熱すると比較的低い温度で融解し、気化すると容易に燃焼する物質の事を指します。 |